3つの異なる楽譜から、それぞれの異なる箇所を9か所見ていきます。
対象の3つの楽譜
- エキエル版(ナショナル・エディション)初期のヴァージョン
- エキエル版(ナショナル・エディション)姉に送られたヴァージョン
- インターネット上で見つけた、誰の手によるコピーなのか分かりかねますが、無料でダウンロードしたもの
以下の違いは割愛させていただきます
- 強弱記号
- スラー
- スタッカートなど
異なる9箇所
1. 第7小節、第8小節
R.H.(右手パート)のタイとL.H.(左手パート)の2つの音符
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
2. 第11小節
R.H.のトリルの開始を指示する装飾音符
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
3. 第18小節
ショパン自身のリズム表記が不完全だったために、楽譜校訂者の解釈の違いが表れています。
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
4. 第21小節~第31小節
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
5. 第32小節
リズムと音符
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
6. 第35(36)小節~第41(42)小節
追加の音符
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
7. 第46(47)小節
リズム
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
8. 第48(49)小節
リズム
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
9. 第52(53)小節
リズムと音符
初期のヴァージョン
姉に送られたヴァージョン
ダウンロードした楽譜
エキエル版の解説
演奏に関する解説
装飾音符のないすべてのトリルは、主音で始まる必要があります。
ロマン派の一般的なトリルの弾き方です。
第56小節
L.H.のG#(ソ#)と同時にc#(ド#)
これはショパンの弾き方の基本です。
ポリリズムに関する解説
と、エキエル版の解説から私は解釈しましたが、間違っているかもしれません(私、学生の時、極端に英語と日本語の成績が悪かったですから)。
語学能力の高い方、何か問題あればコメントください。
引用
第21小節~第24小節は、
ピアノ協奏曲 第2番、第1楽章-第41小節~第42小節と第3楽章-冒頭 から引用されています。
エキエル版の解説に、初期のヴァージョンの説明に“for himself”という言葉が使われていますが、「引用」「後の変更」「未出版」から私は、初めから“for his sister”では、という考えが否めません。
参考動画
9つの違いを音で比較しています。
動画の冒頭と終わりのBGMに、ピアノ協奏曲第2番の引用部分を使用しています。
参考アルバム
CD 1
ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11
1 | 第1楽章 | Allegro maestoso |
2 | 第2楽章 | Romance. Larghetto |
3 | 第3楽章 | Rondo. Vivace |
CD 2
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 op.21
1 | 第1楽章 | Maestoso |
2 | 第2楽章 | Larghetto |
3 | 第3楽章 | Allegro Vivace |
参考楽譜
遺作なのでエキエル版ではノクターン集に掲載されておらず、シリーズB第29巻の色々な小品集に掲載されている作品です。
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